【よくわかる!加温加湿器入門 part40】加温加湿器の位置はどこに置く?自動給水のボトルの高さって大事?(part3)
前回は、加温加湿器と自動給水用の注射用水の固定位置について説明しました。
今回も同タイトルのPart3になります。
前回は、SLE人工呼吸器における自動給水型加温加湿チャンバーに使用する注射用水のボトルの高さについて説明しました。
今回は、NICUにおいて早期抜管、CLD(慢性肺疾患)の発症を防ぐために使用されるようになったInfant Flow®(インファントフロー)というn-CPAP専用の呼吸療法装置における注射用水の高さについてです。
インファントフローによるn-CPAPは、吸いやすくて吐きやすいカニューレの構造であり、日本の新生児科医がn-DPAP(nasal directional positive airway pressure : 呼気吸気変換方式経鼻的持続陽圧呼吸法)と名付け、挿管用の人工呼吸器と同じ台数を保有するNICUが増えた装置で、その後Infant Flow® SiPAPという名称でBiPhasicモードが追加された装置が発売されました。
インファントフローも加温加湿器が使用されますが、「自動給水は禁忌」とされていました。なぜ、自動給水が禁忌であったのかというと、吸気回路内圧が高く、自動給水の機能が働かないからということでした。
n-DPAPは、吸気流量だけでCPAP圧を調節する特殊な機能のために、専用の呼吸器回路IFジェネレーター(旧タイプ)とカニューレが必要でした。
そこで、筆者はIFジェネレーターの回路内圧を測定したところ、吸気回路内圧は75㎝H2Oでした。(写真:1)この吸気回路内圧で自動給水を使用すると、自動給水機構は働かず、吸気回路内圧によって水面が押されるため、自動給水の制御部に隙間ができ、この隙間を吸気ガスが注射用水のバッグの方向に流れていきます。(写真:2)注射用水のバッグにはボコボコと吸気ガスが送られ、注射用水のバッグはパンパンになります。(写真:3,4)



この様なことが起こるため、自動給水は禁忌とされていました。
自動給水を使用するために注射用水のバッグに加圧バッグを取り付け、圧を加えて給水しているという施設もありましたが、決して推奨できる方法ではありませんでした。
その後、カス供給チューブが太くなった新しいLPジェネレーターが発売され、自動給水が可能になりました。(写真:5)新型のLPジェネレーターの回路内圧は12㎝H2Oに低下していました。(写真:6)


加温加湿器の自動給水は、どの呼吸療法装置で使用できるわけではありません。n-DPAPのような特殊な呼吸器回路では、高い吸気回路内圧が発生し、自動給水の機構が働かないこともあることを知っておいて下さい。
次回も、自動給水に関連する注意点について説明したいと思います。
~この記事の執筆者~

松井 晃
KIDS CE ADVISORY代表。臨床工学技士。
小児専門病院で40年間勤務し、出産から新生児医療、急性期治療、慢性期医療、在宅医療、ターミナル期すべての子供に関わり、子供達から“病院のお父さん”と呼ばれる臨床工学技士。
小児呼吸療法を中心としたセミナー講師や大学の講師などを務める。著書多数。

