基礎知識

加温加湿器を使用する際の注意点

加温加湿器を使用する際は、下記の点を注意する必要があります。

    • 加温加湿器には、滅菌蒸留水(注射用水)使用する。
    • 空炊きを起こさないように滅菌蒸留水の水位を定期的に確認する。
    • 呼吸器回路内の結露水の貯留具合を確認し、必要に応じて排水する。
    • ディスポーザブルの呼吸器回路の交換は添付文書の指示に従い実施する。
    • ディスポーザブルの呼吸器回路の使い回しはしない
    • ディスポーザブルの呼吸器回路の再滅菌使用は行わない。
    • リユーザブルの呼吸器回路は、使用終了後に洗浄滅菌を行う。
    • ヒーターワイヤ接続ケーブルや温度プローブなど破損する可能性がある部品は予備を準備しておく
    • 加温加湿器を使用するときは人工鼻(HME : Heat and Moisture Exchanger)の併用は禁忌です。
    • 人工鼻と吸入療法の併用は禁忌です。
      加温加湿器からの強制加湿の水分は人工鼻を通過せず、結露を起こすことで、流量抵抗の増加や閉塞の危険性があります。
      吸入療法の薬剤の粒子は人工鼻を通過しないため、人工鼻が閉塞する危険があります。

そのため、厚生労働省から

平成20911日付薬食審査発第0911004・薬食安発第0911002号通知
「人工呼吸器回路における人工鼻と加温加湿器の併用に係る添付文書の自主点検等について」が発出されています。

PMDAからも医療安全情報、No.7 20091月の中で加温加湿器と人工鼻の併用禁忌についての情報が出されています。

PMDA・医療安全情報、No.7 2009年1月より


まとめ

■加温加湿器に関連する点検の実施

 〇使用前点検

  • 呼吸器回路に破損・リークが無いか確認する。
  • 呼吸器回路の各コネクタの接続を確認する。
  • 温度プローブ・ヒーターワイヤ接続ケーブルなどの破損・接続を確認する。

 〇使用中点検

  • 呼吸器回路に破損・リークが無いか確認する。
  • 呼吸器回路の各コネクタの接続を確認する。
  • 温度プローブ・ヒーターワイヤ接続ケーブルなどの破損・接続を確認する。
  • 呼吸器回路内の結露状態を見て低加湿になっていないか確認する。
  • 呼吸器回路内の結露水を可能な限り水抜きを行う。

 〇使用後点検

  • 温度プローブ・ヒータワイヤ接続ケーブルなどの破損を確認し、清拭等を行う。
  • リユーザブルの呼吸器回路は洗浄・乾燥後に破損等の確認に合わせ、物品の不足がないことを確認して滅菌等を行う。
  • ディスポ―ザブル呼吸器回路は決められた手順に則り廃棄する。

 
※加温加湿器と人工鼻の併用は絶対に行わない。

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