用語集

A~Z

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A-aDO₂

A-aDO₂(alveolar arterial difference of oxygen)とは、「肺胞気・動脈血酸素分圧較差」の略語です。肺胞内酸素分圧ー動脈血酸素分圧で計算されます。肺胞から肺毛細血管への酸素の拡散効果を示し、成人の正常値は5~10㎜Hg程度ですが、この数値が大きくなると酸素の拡散効果が低下していることになります。高齢者になるとA-aDO₂は高値になります。肺胞に障害を来している肺炎やARDS、慢性肺疾患などで酸素の拡散効果が低下し、A-aDO₂が高値となります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDChronic Obstructive Pulmonary Disease)は慢性閉塞性肺疾患と略され、肺の生活習慣病ともいわれます。 気管支が炎症を起こしたり肺胞が破壊されて肺機能が低下し、咳や痰、呼吸困難などを引き起こします。 慢性気管支炎と肺気腫の両方を合併した病気をCOPDと言います。

CO₂ナルコーシス

動脈血の二酸化炭素やpHの変化に合わせて呼吸中枢が分時換気量を維持するように呼吸数や1回換気量が自動調節されます。神経筋疾患などの疾患では慢性呼吸不全の状態にあり、この状態が持続すると、正常値より高いPaCO₂に対する反応性が低下します。この様な患者が慢性呼吸不全の急性増悪を起こし、酸素療法を行った場合、高い酸素濃度の投与を行うと、PaO₂の上昇により、呼吸中枢が呼吸を減らして良いと判断し、呼吸信号を出さなくなります。この結果として、さらなるPaCO₂の上昇を来し、CO₂が中枢神経系に作用し意識障害に至ります。この様な状態を、CO₂ナルコーシスと言います。

CMV(Control Mechanical Ventilation:調節換気)

調節呼吸とは、人工呼吸器の換気モードの一つでCMV(Control Mechanical Ventilation)とも言われます。
CMVは、決められた換気回数を一定間隔で強制換気を行います。
自発呼吸の無い患者に使用される換気モードで、100%の換気を代行します。

CMVの換気方式には、VCVとPCVの2種類があります。

CMV(Continuous Mandatory Ventilation:持続的強制換気)

持続的強制換気とは、人工呼吸器の換気方式でCMV(Continuous Mandatory Ventilation)と呼ばれます。

CMVは、決められた時間間隔で、強制換気が行われる換気モードです。
持続的強制換気には、VCV(量規定換気)とPCV(圧規定換気)の2種類があります。

VCVは、1回換気量を設定して換気する方式です。
PCVは、設定された最大吸気圧によって1回換気量を調節する換気方式です。

CMVでは、自発呼吸を阻害しないように、自発呼吸を感知した際には補助換気が行われるようになっています(A/Cモードで動作します)。

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)

持続的気道陽圧のことをCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)と呼びます。

自発呼吸のある患者に、吸気・呼気に関わらず、
一定の圧を加える換気法で、自発呼吸に対して、CPAPを維持できる送気を行います。

CPAPの効果は下記になります。                                                          ①肺胞の虚脱を改善し機能的残気量を保つことで酸素化の改善
②吸気仕事量の改善                                                           ③気道の開存

気管チューブが挿入される場合ではPSVを付加して自発呼吸をサポートすることが多いです。
n-CPAPという名称で、鼻カニューレや鼻マスクで行う方式もあります。
鼻マスクで行うCPAPとしては、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する治療であります。
睡眠時の舌根沈下、喉や首回りの脂肪により気道が塞がれてしまい、呼吸が弱くなったり、停止してしまうことを防ぐため、マスク式CPAPの専用装置で持続的に一定圧を加えて気道を広げ無呼吸を改善します。

在宅持続陽圧呼吸療法を行う患者が増加しています。
在宅持続陽圧呼吸療法は、睡眠の質の向上を見込めるため睡眠時無呼吸症候群(SAS)に伴う強い疲労感や日中の眠気、集中力や注意力の低下の改善などにもつながります。

ETCO₂

ETCO₂(end tidal CO₂)とは、「呼気終末二酸化炭素分圧」の略語です。患者さんが適正に換気(適正な分時換気量)ができているかを判断する指標になります。二酸化炭素はガス拡散効率が高いため、動脈血二酸化炭素分圧と呼気二酸化炭素分圧はほぼ同じになります。よって、呼気の二酸化炭素を測定すればPaCO₂を採血せずに知ることができます。呼気の二酸化炭素の変化をカプノグラムといい、この一番高い数値(呼気終末)をデジタル値で表示します。カプノグラムの変化を数えることで呼吸回数も測定でき、人工呼吸器の外れなど一早く警報を発するため安全装置としても有効と言われています。呼気炭酸ガスモニタ(カプノモニタ)や呼気炭酸ガスモニタを内蔵したベッドサイドモニタを用いて測定します。ETCO₂の値はPaCO₂に比し、25Hg程度低くなります。PaCO₂よりETCO₂が大きく低値を示す場合は、死腔換気や肺内シャントが考えられます。ETCO₂は、呼吸、循環、代謝の影響を受けるため、他の因子も同時に判断する必要があります。

FIO₂(fraction of inspiratory oxygen:吸入酸素濃度)

FIO₂(fraction of inspiratory oxygen:吸入酸素濃度)とは、吸気に含まれる酸素の濃度を表します。
大気を1とした場合に対して酸素がどのくらいの割合になっているかを示します。
空気中に含まれる酸素の割合は21%なので、FIO₂は0.21となり、単位はありません。

酸素療法では、経鼻酸素カニューレや簡易酸素マスクを用いて酸素を投与し、FIO₂を上昇させる治療法です。
院内で使用する人工呼吸器には、設定するFIO₂になるように酸素と空気の割合を調節する酸素ブレンダーが内臓されています。

FRC

肺機能検査ではFRCfunctional residual capacity機能的残気量)は息を最大限に吐いて,吐ききれない肺の中に残っている空気の量(残気量)言います。

FVC

肺機能検査ではFVCForced Vital Capacity:努力性肺活量)とは、何回か楽な呼吸をした後、大きく息を吸いこんで、次に、息を勢いよく吐き出した最大の空気の量を言います。

HFO(High Frequency Oscillation:高頻度振動換気法)

HFO(High Frequency Oscillation)は、高頻度(High Frequency)で振動(Oscillation)を加えて行う人工呼吸法で、高頻度振動換気法の略語です。

通常の人工呼吸療法では、通常の呼吸数と同程度の換気回数で陽圧換気を行いますが、
HFOでは一定の気道圧(平均気道内圧)を中心に少量のガスを
高頻度(1分間に600~900回程度)に出し入れすることによって呼吸管理を行います。

通常の人工呼吸器では、高い強制換気による肺傷害を起こすことがありますが、
高頻度で行うHFOは肺の伸縮を少なくできるため肺にダメージを加えることが少ない換気法であり、
重症な呼吸不全に使用されます。

通常の人工呼吸療法のPEEPでは虚脱していた肺胞を、HFOでは同じ平均気道内圧でも開存させること(リクルートメント)ができるため、酸素化の改善に繋がります。

このHFOは、新生児横隔膜ヘルニアや気胸など、通常の人工呼吸器では換気が不十分になってしまう場合に活用されることが多い人工呼吸法です。

HME(Heat and Moisture Exchanger:人工鼻)

HME(Heat and Moisture Exchanger:人工鼻)は、気管チューブや気管切開チューブに装着し、
呼気に含まれた水分と温度を捕捉し、次の吸気の時に吸気ガスを加温・加湿するデバイスです。

人工鼻は、繊維紙やスポンジからできています。
気道が乾燥してしまうと、気道の繊毛運動の浄化作用が低下したり、
粘膜が乾燥することにより、感染症や気道閉塞の危険性が増加するため、吸気の加温・加湿が必要になります。

人工鼻は、吐き出された呼気から水分と温度を捉えます。
そして、次の吸気の時に、冷たく乾いた吸気ガスを人工鼻を通過する際に、加温・加湿される仕組みです。

人工鼻で加湿できる絶対湿度は30~33㎎/Lです。
近年では、院内感染の防止のためにバクテリアフィルターが内臓された人工鼻が多く使用されています。
人工鼻よりも吸気ガスを強制的に加温・加湿する加温加湿器もあります。

NIPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)

NIPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)はNPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)と同義語で、
非侵襲的陽圧換気療法の略です。

NIV(Non-invasive Ventilation)

NIVは非侵襲換気とも言い、人工呼吸器の換気方式の一つです。 NIVには、非侵襲的陽圧換気量法(NPPV)と陰圧式人工呼吸療法(NNPV)があります。 NPPVは、挿管や気管切開を行なわずに、鼻マスクやフェイスマスク、マウスピースを使用して患者の呼吸を補助することが特徴です。 NPPVは、神経筋疾患(NMD)、急性呼吸不全(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満低換気症候群(OHS)など呼吸に異常が生じた場合に使用されます。

NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧換気)

NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)は非侵襲的陽圧換気療法の略で、
呼吸不全の患者に対しして気管挿管や気管切開を行なわない呼吸療法を言います。

NPPVは、鼻マスクやフェイスマスクを装着し、陽圧を加えて換気を行います。

NPPVは、気管内挿管や気管切開による人工呼吸と比べ、患者に負担の少ない特徴があります。
NPPVは急性呼吸不全から慢性呼吸不全まで幅広く適用でき、
在宅でも活用されている呼吸管理手法です。

PCV(Pressure Controlled Ventilation:圧規定換気)

圧規定換気は、PCV(Pressure Controlled Ventilation)とも言われ、
量規定換気(VCV:Volume Controlled Ventilation)と同じく持続的強制換気(CMV)に分類される換気モードです。

VCVは、設定された”量”を肺に送りこむことで換気を行いますが、
PCVは、設定された圧力により、1回換気量を確保します。

PCVでは、自発呼吸の有無、肺のコンプライアンス等によって1回換気量は常に変化します。
初期の吸気流速が気道抵抗や肺コンプライアンスの影響を受けるため、吸気の立ち上がる時間(ライズタイム)を設定します。
肺胞の不均等換気は最大吸気圧を維持するプラトー相に行われるためVCVのようなポーズタイムの設定は不要です。

PEEP(Positive End-Expiratory Pressure:呼気終末陽圧)

PEEP(Positive End-Expiratory Pressure:呼気終末陽圧)は、呼気終末に陽圧をかけることで肺胞の虚脱や気道の虚脱を防ぐための人工呼吸の管理方法です。
PEEPの効果は下記になります。                           

①肺胞の虚脱・再解放を繰り返すことによる肺損傷の軽減
②機能的残気量(FRC)の増加による酸素化効率の増大
③呼吸仕事量の軽減
④1回換気量の増加→PaCO₂の正常化
⑤気道を広げる                                  
一方で、高いPEEPでは、胸腔内圧の上昇により、静脈還流の低下が起こり心拍出量の低下や尿量の減少、脳圧の亢進などの副作用があるため注意が必要です。

P/F比

P/F比とは、肺での酸素化能を測る指標の一つです。
P/F比は、動脈血酸素分圧(PaO₂:partial pressure of arterial oxygen)を、吸入酸素濃度(FIO₂:Fraction of Inspired Oxygen)で割ることで、算出されます。

正常値はおよそ500となります。300を下回ると軽度のARDS(Acute Respiratory Distress Syndrome:急性呼吸窮迫症候群)、ALI(Acute Ⅼung Injury:急性損傷)に当てはまる恐れがあり、200を下回ると中等度のARDSに当てはまる恐れがあります。

PS(Pressure Support)

PS(Pressure Support)はPSV(Pressure Support Ventilation)と同義語で、圧支持換気の略語である。

SIMVとCPAPの換気モードに付加する補助換気です。

PSVは、CSV(Continuous Spontaneous Ventilation)の一つです。

PSVは、患者の自発呼吸を検知し、自発呼吸に合わせて設定された圧で吸気補助を行います。
吸気時間は患者の吸気フロー波形より呼気に転ずる時間を自動的に調整します(呼気ターミネーション)。
よって、PSVの吸気時間は常に変化します。

圧サポートの目的は、気管チューブによる吸気抵抗を補助する目的であり、
PEEPに対して5~10㎝H₂O程度に設定します。 

PSVは、自発呼吸に依存する補助換気のため、無呼吸や吸気が弱い場合の使用には注意が必要です。

PSV(Pressure Support Ventilation:圧支持換気)

圧支持換気は、PSV(Pressure Support Ventilation)と呼ばれ、
SIMVとCPAPの換気モードに付加する補助換気です。
PSVは、CSV(Continuous Spontaneous Ventilation)の一つです。

PSVは、患者の自発呼吸を検知し、自発呼吸に合わせて設定された圧で吸気補助を行います。
吸気時間は患者の吸気フロー波形より呼気に転ずる時間を自動的に調整します(呼気ターミネーション)。
よって、PSVの吸気時間は常に変化します。
圧サポートの目的は、気管チューブによる吸気抵抗を補助する目的であり、
PEEPに対して5~10㎝H₂O程度に設定します。 

PSVは、自発呼吸に依存する補助換気のため、無呼吸や吸気が弱い場合の使用には注意が必要です。

SIMV(同期式間欠的強制換気)

同期式間欠的強制換気とは、SIMV(Synchronized Intermittent Mandatory Ventilation)と呼ばれる換気モードの一つです。
SIMVは、1分間に決められた換気回数を患者の自発呼吸に合わせ強制換気を行うモードです。
自発呼吸を認識する換気モードであるため、患者の自発呼吸を認識する必要があります。

自発呼吸の認識方法には、フロートリガー方式と圧トリガー方式があります。
患者の自発呼吸が設定された換気回数より多い場合、
多い換気に対してはPEEPを維持するように送気を行い強制的な換気は行いません。
自発呼吸が設定された換気回数より少ない場合、少ない換気は無呼吸と判断し、
調節呼吸(CMV)となって設定された換気回数を維持するように強制換気が行われます。

SIMVにはPSVを付加することができ、
設定された換気回数より多い分の自発呼吸に対してPSVによる圧サポートを行います。
SIMVは、患者が無呼吸の時はCMVで動作し、自発呼吸が発生すると共にSIMVで動作します。

よって、自発呼吸の正常化と共に換気回数を下げていくことで、人工呼吸のウィーニングを勧めることができる患者の病態に合わせた設定を行いやすい有用な換気モードです。

VCV(Volume Controlled Ventilation:量規定換気)

量規定換気は、VCV(Volume Controlled Ventilation)とも言われ、
圧規定換気(PCV:Pressure Controlled Ventilation))と同じく持続的強制換気(CMV)に分類される換気モードです。

PCVは、設定された”圧力”をかけることで、1回換気量を確保しようとするのに対し、VCVは、1回換気量を設定することで、常に決められた1回換気量を肺に送り込みます。

VCVでは、気道抵抗や肺のコンプライアンスの影響に関係なく、設定された1回換気量を確保できますが、気道抵抗や肺のコンプライアンスの影響によって常に最大吸気圧は変化します。
最大吸気圧を上げる送気の制御は、一般的に矩形波が使用されますが、漸減波、正弦波の送気パターンに変更できる人工呼吸器もあります。

肺胞の不均等換気の是正を行うために、吸気終了後にポーズタイムを設定します。

Yピース

Yピースは、呼吸器回路を構成するデバイスの一つです。

Y型をしたコネクターで、人工呼吸器の吸気回路と呼気回路、
気管チューブ・気管切開チューブをつなぐ部品です。

人工呼吸器回路には、「人工鼻用回路」と「加温加湿器用回路」の2種類がありますが、
人工鼻用回路の場合には、人工鼻をYピースと気管チューブ・気管切開チューブの間に接続します。

Yピースには口元温度を測定するために温度プローブを差し込む口があり、
加温加湿器用回路の場合には、口元温度の管理を行うことができます。
Yピースを使用する際には、ひびやワレがないか確認することが大切となります。

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電話番号:048-242-0333

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